邪馬台国

平和と豊穣を祈る舞踏会


日本最古の木製仮面(桜井市教育委員会)
最古の木製仮面
纒向遺跡第149次調査において朱塗りの盾(たて)や鎌柄などの多数の遺物とともに庄内1式期(3世紀前半)の土坑から出土したもので、長さは約26cm、幅約21.5cm。
アカガシ亜属製の鍬(くわ)の刀部を転用して作られたもので、口は鍬の柄孔をそのまま利用している。細目をあけて目にして、その上にうっすらと眉を線で描いている。
高く削り残した鼻には小さい鼻孔もあいている。
片手にこの仮面をつけて踊り、ある時はヒトに、ある時は神になる。
豊作を祈願するためのものなのか、そのような舞踏が3世紀の纒向で行われていた。
木製の仮面としては今から1800年前の国内最古のもの。

祭祀に使われた?吉備地方の「弧文円板」と「弧文石」
日本最古で「前方後円墳の原型」と言われているのが「纒向石塚古墳」。
全長約96m(後円部径64m、前方部直32m)。比率が3:2:1の纒向型前方後円墳の典型的なスタイルで、築年数は3世紀初めといわれる。
古墳の周壕へと水を引き込む導水溝が確認され、たくさんの土器や木製品が出土している。そのうちの一つ「弧文円板」は吉備地方の独特の文様で、特殊器台に使われたと同じデザインがほどこされている。
欠損もあり、本来の形状は不明だが、黒い漆塗りのすばらしい技術である。
「弧文石」は纒向遺跡第36次調査で検出された溝の上層から出土した。
重さは24.25gで、粘板岩製とみられる。
長辺4.7cm、短辺2.8cm程度しか残っていない小片のため、本来の形状は解っていない。
施文面を観察すると写真の下部から左側部分にかけては施文の基準となる4本の線が引かれたままで、彫刻が施されていない部分が残ることから、製作途中で何らかの理由により廃棄されたものと推定される。


弧文石(桜井市教育委員会)